前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
3月議会で、前橋市役所の窓口改革と、新たに配置するフロアマネージャーについて質問しました。
前橋市では、オンライン申請や「書かない窓口」など、行政手続きのデジタル化を進めています。
その一方で、令和8年度予算では、市民課窓口にフロアマネージャー2人を配置するため、約700万円が計上されています。
デジタル化によって窓口業務を効率化する一方で、人を新たに配置する。
一見すると反対方向にも見える二つの取組をどう位置付けているのか。そして、前橋市は最終的にどのような市役所窓口を目指しているのかを確認しました。
フロアマネージャー2人を配置
今回、市民課窓口に配置されるフロアマネージャーには、来庁した市民を適切な窓口へ案内し、窓口全体の混雑状況を把握して必要な調整を行う役割があります。
具体的には、
・どこの窓口に行けばいいのか案内する
・必要書類に不足がないか事前に確認する
・来庁者の目的に応じて適切に案内する
・窓口全体の混雑状況を把握する
などの対応を行います。
市からは、こうした対応によって来庁者の不安を解消するとともに、待ち時間や窓口での滞留時間を減らすことを成果目標としているとの説明がありました。
デジタル化するのに、なぜ「人」を増やすのか
現在、前橋市ではオンライン申請の拡充や「書かない窓口」など、窓口業務のデジタル化を進めています。
デジタル化によって業務を効率化するのであれば、本来は人的配置の最適化にもつながるはずです。
その一方で、今回はフロアマネージャーという新しい人的配置を行います。
そこで、この二つをどのように整理しているのか質問しました。
市からは、デジタル化によって**「行かない窓口」**を目指す一方で、今後もリアルな窓口を必要とする市民は必ず存在するとの答弁がありました。
そのため、フロアマネージャーの配置については、
「誰ひとり取り残さない、市民にやさしい窓口運営」
のために必要な施策として位置付けています。
デジタルだからこそ、人が必要なところには人を
私は、この考え方自体は重要だと思います。
すべての市民がオンラインで行政手続きを完結できるわけではありません。
手続きの内容が複雑な場合もあれば、対面で相談しながら手続きを進めたい人もいます。
高齢者をはじめ、デジタル機器の操作を苦手とする人もいます。
デジタル化=人をなくすことではありません。
デジタルで完結できる手続きはデジタルへ移行し、その分、本当に対面での支援を必要とする市民に人の力を振り向ける。
前の質問で取り上げたDX投資と同様に、重要なのは、効率化によって生まれた行政資源をどこに再配分するのかということです。
前橋市が目指す「窓口の最終形」は?
もう一つ確認したのが、フロアマネージャーを今後も恒常的に配置するのか、それともDXが進むまでの移行期の措置なのかという点です。
市では現在、戸籍届出や住所異動などのライフイベントに関連する手続きを中心に、**「窓口フロントヤード改革計画」**を策定し、今後の窓口のあり方を検討しています。
計画では、
「市民との接点の多様化・充実化」
「データ対応の徹底」
「人的・空間的リソースの最適配置」
の3つを柱としています。
具体的には、
・待たない、回らない窓口
・行かない窓口
・フロアレイアウトの改善
などを進め、市民の利便性向上と行政内部の業務効率化を両立していく方針です。
一方、フロアマネージャーを恒常的な体制とするのかについては、今後さらに検討していくとの答弁でした。
場当たり的ではなく「将来の窓口」から逆算を
「待たない窓口」「回らない窓口」「行かない窓口」という方向性は理解できます。
一方で、DXが進めば、市役所の窓口そのものの役割も大きく変わっていくはずです。
オンラインで完結する手続きが増えれば、来庁者数も変わります。
そのとき、窓口には何人の職員が必要なのか。
フロアマネージャーは必要なのか。
市役所に来なければならない人に対して、どのような支援を提供するのか。
だからこそ、個別の施策を積み重ねるだけではなく、
「前橋市が最終的にどのような窓口をつくりたいのか」
という将来像を明確にする必要があると考えています。
そして、その将来像から逆算して、デジタルへの投資、人的配置、庁舎のレイアウトなどを設計していく。
場当たり的な対応ではなく、中長期の設計図に基づいた窓口改革を進めることを求めました。



