前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年9月議会で、不登校児童生徒の学びと成績評価について質問しました。
夏休み明けは、学校への不安や悩みから登校することが難しくなる子どもが増える時期でもあります。
学校に行けない状態にあっても、家庭やフリースクールなどで学習を続けている子どもたちがいます。
その頑張りが、学校の成績としてどのように評価されるのか。
これは高校進学など、その後の選択肢にも関わる重要な問題です。
今回は、夏休み明けの欠席状況とあわせて、不登校児童生徒の学校外での学びを、どのように成績評価につなげるのかを確認しました。
9月1日の欠席者は565人
前橋市立小中学校では、9月1日から2学期が始まりました。
令和7年9月1日の欠席者数は、病気、不登校、その他の理由をすべて含めた速報値で、
小学生:299人
中学生:266人
合計:565人
でした。
前年と比較すると約15%減少しており、小学校で60人、中学校で32人減少しています。
人数が減少したこと自体は良いことですが、夏休み明けは子どもたちの変化に特に注意が必要な時期です。
登校できているかだけを見るのではなく、一人ひとりの状態を丁寧に見守る必要があります。
学校に行っていなくても成績評価はできる
不登校の子どもについて、もう一つ重要なのが成績評価です。
文部科学省は令和6年8月、不登校児童生徒が登校していない場合の成績評価について通知を出しています。
前橋市でも、この通知をすべての学校に周知しています。
実際の評価では、
・家庭で取り組んだ学習の成果物
・家庭学習の取組記録
・教育支援教室での活動状況
・民間施設などでの活動状況
などを確認し、学校外での取組についても適切に評価できるよう、学校と不登校支援施設が情報共有を行っています。
つまり、「学校に登校していないから評価できない」ということではありません。
学校外で取り組んだ学習についても、成績評価につなげられる可能性があります。
それでも通知表が「斜線」になることがある
一方、現実には、不登校の児童生徒の通知表で評定がつかず、**「斜線」**となるケースもあります。
ここには大きな問題があります。
例えば高校進学では、学校の評定が判断材料になる場合があります。
さらに、今回前橋市が新たに創設する給付型の入学支援金でも、中学校3年間の評定平均3.5以上という条件が設定されています。
学校には行けなかった。
しかし、家庭やフリースクールなどでは学習を続けていた。
それにもかかわらず、その取組が十分に成績へ反映されず、結果として進学や支援制度で不利になるのであれば、機会の公平という点から課題があります。
「何をすれば評価されるのか」を分かるように
もう一つの課題は、学校外で学んでいる子どもや保護者から見て、
「何を、どのように学校へ示せば評価してもらえるのか」
が分かりにくいことです。
そこで、学校外での取組をより公正に評価し、評価方法を明確にする必要があるのではないかと質問しました。
市からは、不登校児童生徒の頑張りを認めていくという観点から、今後さらに評価方法を研究していくとの答弁がありました。
具体的には、できるだけ多くの成果物を確認し、成績評価に反映できる体制をつくります。
そのため、国や先進自治体の事例を参考にしながら、学校、教育支援教室、民間施設とも連携し、どのような成果物を評価対象にできるのか研究するとのことです。
デジタル学習の記録を評価に活かす
特に注目したいのが、タブレットを使った学習です。
デジタルドリルなどでは、
・どのくらいの時間取り組んだのか
・どのくらいの量に取り組んだのか
といった学習記録を比較的把握しやすくなります。
市からは、こうした数値化しやすい学習成果について評価基準を設けるなど、幅広い活用方法を検討するとの考えが示されました。
また、数値による評価が難しい場合でも、文章によって子どもの取組を評価し、本人の意欲につなげることも重要との答弁でした。
学校に行けなかったことが、その先の不利益にならないように
先生方や教育委員会が、学校に行けていない子どもの頑張りも拾い上げようとしていることは、大切な取組だと思います。
一方で、記述による評価だけでは十分ではない場面があります。
高校進学や支援制度など、実際には数字によって判断される場面が存在するからです。
だからこそ、
学習時間、提出数、学習の到達度など、数値化できるものは数値化する。
さらに、学校によって評価が大きく異ならないよう、共通の指標やルーブリックなどを整備する。
そして、家庭や教育支援教室、フリースクールなど学校外で行った学習についても、記録に基づいて適切に評定へ反映できる仕組みにしていく。
学校に行けなかったことによって、子どものその後の選択肢まで狭くなってしまうことは避けなければなりません。
どこで学んでいても、その子が取り組んだことを適切に評価できる仕組みをつくること。
子どもたちの機会の公平を保障するためにも、前橋市として具体的な評価の仕組みづくりに踏み出すことを要望しました。



