前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年12月議会で、前橋市の不登校支援について質問しました。
文部科学省の調査では、不登校児童生徒数は全国的に増加しています。
今回の調査からは、新たに不登校となった「新規」の児童生徒と、前年度から引き続き不登校となっている「継続」の児童生徒が分けて公表されるようになりました。
不登校の子どもの数だけではなく、その状態がどのくらい長期化しているのかも重要な視点です。
そこで今回は、前橋市における継続不登校の実態、オンラインによる支援、群馬県との連携、フリースクールなど学校外の学びへの経済的支援について確認しました。
小学生54%、中学生63%が継続不登校
前橋市における、2カ年以上継続して不登校となっている児童生徒の割合は、
小学生:約54%
中学生:約63%
でした。
全国では小学生が約52%、中学生が約61%であり、前橋市は全国よりやや高いものの、おおむね同様の状況とのことです。
つまり、不登校の子どもの半数以上が、前年度から継続して不登校の状態にあります。
不登校支援を考える際には、「学校に戻れるか」という視点だけではなく、不登校の状態にあっても、学びや人とのつながりをどう保障するのかという視点が重要です。
特に不登校が長期化している子どもにとっては、学校以外にも学習や交流ができる選択肢を確保する必要があります。
前橋市のオンライン不登校支援、利用者に変化も
前橋市では、令和6年度から不登校児童生徒へのオンライン支援を実施しています。
令和6年度は9月の事業開始以降、
利用申込22名、正式登録12名
令和7年度は11月末時点で、
利用申込19名、正式登録12名
となっています。
市からは、オンライン支援を利用しながら、少しずつ教育支援教室や学校へ通うようになった児童生徒もいるとの説明がありました。
オンラインだけですべてを解決するのではなく、オンラインでのつながりを入口として、その子に合った次の学びや居場所につながっていくことにも大きな意味があると考えています。
群馬県と前橋市、それぞれ異なるオンライン支援
群馬県でも、不登校の児童生徒を対象としたオンライン支援を行っています。
県と前橋市では、支援方法に違いがあります。
群馬県は、家庭で用意した端末から3Dメタバースを利用し、学習や教育相談の機会を提供しています。
一方、前橋市は児童生徒用タブレットを使い、支援員が学習や交流活動を提供しています。
学習についても、県がオンデマンド教材を中心とした自主学習を行っているのに対し、前橋市ではオンデマンド教材に加え、支援員が自作したスライドなどを使った、対面授業に近い支援も行っています。
どちらが優れているということではなく、それぞれに特徴があります。
だからこそ、子どもの状況に応じて双方の強みを活かすことが重要です。
群馬県と前橋市で情報共有
県と市の連携についても確認しました。
現在は、双方のオンライン支援を利用する児童生徒の情報を共有し、共通のアカウントで支援を受けられる仕組みを整えています。
また、県と前橋市の支援員同士でも、活動内容や配信方法、評価などについて情報交換を行っています。
市からは、今後も県と連携しながら支援内容を改善していくとの答弁がありました。
行政の違いによって支援が分断されるのではなく、子どもを中心に、県と市の支援がつながっていくことが重要です。
学校外の学びへの補助、申請は4世帯
オンラインでの支援だけでなく、教育支援教室やフリースクールなど、実際に人と会える場所につながることも大切です。
前橋市には、こうした学校外の学びを経済的に支援する**「教育支援教室等利用者支援事業補助金」**があります。
1学期分については、9月19日までに4世帯から申請があり、4世帯すべてに補助金が交付されました。
一方、不登校児童生徒の人数を考えると、利用件数が非常に限られていることには課題を感じます。
補助対象は生活保護・就学援助受給世帯に限定
現在、この補助制度を利用できるのは、生活保護受給世帯または就学援助受給世帯です。
そこで、より多くの不登校児童生徒が学校外の学びにつながれるよう、補助対象そのものを広げる必要はないか質問しました。
市からは、現時点では対象条件を広げるのではなく、対象となっているにもかかわらず制度を知らず利用できない家庭が生じないよう、周知を徹底するとの答弁がありました。
一方、補助対象となる交通費の金額や基準については見直していく考えも示されました。
経済状況にかかわらず、学びを選択できる仕組みを
私は、現在の対象条件だけで十分なのかについては、引き続き検討が必要だと考えています。
制度上は生活保護や就学援助の対象にならなくても、フリースクールなどの利用料が家計にとって大きな負担となる家庭はあります。
会派視察で訪問した鳴門市では、フリースクールを利用する不登校児童生徒に対して利用料を支援し、家庭の経済状況にかかわらず学びを継続できる仕組みが設けられていました。
不登校の子どもに必要な学びや居場所は、一人ひとり違います。
学校。
教育支援教室。
オンライン。
フリースクール。
そのほかの地域の居場所。
大切なのは、「学校に行けるか、行けないか」の二択にするのではなく、その子に合った学びや人とのつながりを途切れさせないことだと思います。
前橋市でも「誰ひとり取り残さない」という視点から、より多くの不登校児童生徒が必要な居場所や学びにつながれるよう、補助対象の拡大も今後の検討に加えることを強く要望しました。



