前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年6月議会で、前橋市の不登校支援について質問しました。
令和6年度、前橋市の不登校児童生徒は801人となり、前年度からさらに増加しました。
不登校の子どもたちへの支援を考えるとき、私は「学校に戻れるかどうか」だけを見るべきではないと考えています。
より大きな問題は、学校に通えないことで、学びや人とのつながりまで失ってしまうことです。
そこで今回、不登校児童生徒の実態と各支援事業の利用状況、そして、どの程度の子どもが何らかの支援につながっているのかを確認しました。
前橋市の不登校児童生徒は801人
令和6年度、年間30日以上欠席した前橋市の不登校児童生徒は、
小学生:334人
中学生:467人
合計:801人
となりました。
前年度と比較すると、小学生は30人、中学生は26人増加しています。
不登校児童生徒について学校が把握した状況では、小中学校ともに**「学校生活にやる気が出ない等の相談があった」**という割合が最も高く、小学校35.9%、中学校29.6%でした。
続いて、「不安や抑うつの相談」「生活リズムの不調に関する相談」などが多くなっています。
不登校には一つの原因があるわけではなく、心理面、学習、人間関係、家庭環境など、さまざまな要因が複雑に関係しています。
前橋市では複数の不登校支援を実施
増加する不登校児童生徒に対応するため、前橋市では複数の支援事業を実施しています。
令和6年度の利用者数は、
スクールアシスタント事業:372人
オープンドアサポート事業:104人
教育支援教室事業:86人
不登校児童生徒オンライン支援事業:22人
不登校支援施設利用者への交通費補助事業:13人
でした。
それぞれの支援でも変化が見られています。
学校内の支援では、学校とのつながりを築きながら、その子の状況に応じた活動や学習に取り組めるようになったケースがあります。
教育支援教室や民間の不登校支援施設を利用することで、学校とつながりづらかった子どもに変化が見られたケースもあります。
また、オンライン支援では、家から出ることに消極的だった子どもが支援員とオンラインでつながり、学習や他者との関わりに前向きになるケースも報告されています。
大切なのは「どこかにつながっていること」
全国的には、不登校児童生徒の中に、学校内外で専門的な相談や指導につながっていない子どもが一定数存在することが課題となっています。
私は、不登校支援で特に重要なのは、**「学校に行けているか」ではなく「どこかにつながっているか」**という視点だと考えています。
学校に行けなくても、
誰かと話せる。
学ぶ場所がある。
困ったときに相談できる。
社会との接点がある。
そうしたつながりがあれば、その子の次の一歩を支えることができます。
そこで、前橋市の不登校児童生徒のうち、実際にどの程度の子どもが支援につながっているのかを確認しました。
小学生95%、中学生97%が何らかの支援につながる
関係機関などによる専門的な相談指導を受けた割合は、
小学生:約53%
中学生:約42%
でした。
さらに、スクールアシスタント、オープンドアサポーター、学校職員などによる支援まで含めると、
小学生:約95%
中学生:約97%
となります。
前橋市では、不登校児童生徒の多くが何らかの形で支援につながっていることが確認できました。
これは重要な数字だと思います。
一方で、裏返せば、少数ではあっても支援につながっていない子どもがいることになります。
また、「つながっていること」と「必要な支援が十分に届いていること」は同じではありません。
次に問われるのは、支援の質だと考えています。
教育だけでは解決できない不登校もある
不登校には、学習や学校生活だけではなく、心理面、家庭環境、福祉、医療などの課題が複合的に関係することがあります。
そのため、教育委員会だけですべてを解決することはできません。
前橋市では、民間の不登校支援施設とも情報共有を行っています。
教育支援教室が実施する交流活動や体験活動、進路説明会、保護者交流会について民間施設にも情報提供するほか、交通費補助についても対象となる家庭が申請できるよう連携しています。
さらに、市内の民間施設の職員が「不登校問題等対策会議」に参加し、現場から意見を伝える機会も設けられています。
福祉・医療につなぐ仕組みも
教育委員会とこども未来部との連携も行われています。
例えば、ヤングケアラーの可能性がある子どもや、家庭そのものへの支援が必要なケースで不登校傾向が見られる場合には、日常的に情報を共有しています。
必要に応じて個別サポートチーム会議を開催し、教育だけではなく、福祉や医療の支援につなげることも行われています。
不登校という表面に現れた状態だけを見るのではなく、その背景に何があるのかを考え、必要な支援につなげることが重要です。
「学校復帰」だけをゴールにしない
前橋市では、不登校児童生徒の95%以上が何らかの支援につながっていることが分かりました。
今後は、この「つながり」をさらに実質的なものにしていく必要があります。
学校、教育支援教室、オンライン、フリースクールなどの民間施設、福祉、医療。
子どもによって必要な場所や支援は違います。
大切なのは、学校に戻すことだけを目的とするのではなく、どのような状態にあっても、学びや人とのつながりが途切れないことです。
そして、一つの機関だけで抱え込むのではなく、教育・福祉・医療・民間が連携しながら、その子に必要な支援を届ける。
不登校児童生徒が増加する中、こうした切れ目のない支援体制をさらに充実させていくことが必要だと考えています。



