活動報告

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前橋市議会で質問する市村ただみつ

前橋市の予算、本当に効果を検証できているか―事業評価と第1子保育料半額を問う(2026年3月議会報告①)

前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。

3月議会で、令和8年度当初予算と、前橋市が事業の効果をどのように評価し、予算配分につなげているのかについて質問しました。

行政には非常に多くの事業があります。

新しい事業を始める一方で、既存事業を継続するのか、見直すのか、終了するのかという判断も必要です。

人口減少などによって今後さらに財政的な制約が大きくなる中、重要なのは、

「何にお金を使ったか」だけではなく、「そのお金によってどんな成果が生まれたのか」

を検証し、次の政策判断につなげることだと考えています。

今回の議会では、令和8年度当初予算の全体像から、事業評価の仕組み、ロジックモデルの活用、そして第1子保育料半額の政策効果まで質問しました。

前橋市の予算事業は919事業

令和8年度から、予算議案の参考資料として示される「所属別予算附属説明書」が充実し、事業目的や主な内容、予算・決算の3年間の推移などが分かりやすく整理されました。

情報公開という点でも評価できる取組だと思います。

一方で、改めて確認すると、前橋市には非常に多くの事業があります。

一般会計の事業数は、

令和5年度 948事業
令和6年度 947事業
令和7年度 942事業
令和8年度 919事業

と推移しています。

令和8年度に減少した主な理由としては、木瀬中通線整備事業や市庁舎整備事業などの終了、5年ごとに実施する国勢調査の終了などがあります。

一方、新たに「部活動地域展開事業」「上武小神明交差点整備事業」などが始まり、隔年で行われる「総合防災訓練運営事業」なども追加されています。

第1子保育料半額など、新規・充実事業も

令和8年度予算では、新規・充実事業として、

・第1子保育料の半額
・市立体育館のエアコン整備着手
・農業の担い手支援補助の充実
・住宅リフォーム補助の充実

などが盛り込まれています。

一方、木瀬中通線などの道路整備や旧夜間急病診療所の解体など、令和7年度で終了した事業もあります。

当然ですが、財源には限りがあります。

だからこそ、新しい事業を始めるときには、**「なぜこの事業なのか」「他の政策より優先する理由は何なのか」**を明確にする必要があります。

事業を何によって評価しているのか

そこで、前橋市では事業の新設・継続・廃止をどのように判断しているのか確認しました。

市からは、

・事業の経年比較
・他自治体の状況
・費用対効果
・成果や指標の達成状況
・既存事業の見直しや再構築の状況

などを総合的に判断しているとの答弁がありました。

しかし、「総合的に判断しました」だけでは、後からその政策判断が正しかったのかを検証することができません。

そこで、成果指標がどのように設定され、目標を達成できなかった場合にどのように事業の見直しにつなげているのかを質問しました。

すべての事業に成果指標があるわけではない

市からは、現在、庁内のすべての事業について一律に成果指標を設定しているわけではないとの答弁がありました。

一方、第七次総合計画第3期推進計画では、全部で**105の成果指標(KPI)**を設定しています。

内訳は、

客観指標 75項目
主観指標 15項目
Well-Being指標 15項目

です。

単純な数値だけではなく、市民自身の実感や満足度についても把握しながら政策を評価する仕組みとなっています。

また、指標について定量的な評価を行ったうえで、社会情勢や経済動向などの外部要因も分析し、必要に応じて施策や事業の見直しにつなげているとの説明がありました。

「事業をやること」が目的になってはいけない

前橋市では令和7年度から、外部アドバイザーを活用して、ロジックモデルを使った事業の見直しにも取り組んでいます。

ロジックモデルとは、簡単に言えば、

「この事業を行うことで、最終的に何を実現したいのか」

という道筋を整理する考え方です。

事業を実施すること自体が目的になるのではなく、最終的に実現したい成果から逆算して、現在の事業が本当に必要なのか、効果があるのかを考えます。

市からも、人口減少や厳しい財政制約の中では、限られた行政資源の「選択と集中」が重要であり、第八次総合計画の策定とあわせて行政評価を再構築し、PDCAサイクルを強化していくとの考えが示されました。

第1子保育料半額は何のための政策なのか

こうした「政策の目的と効果」という観点から、令和8年度予算の象徴的な事業の一つである第1子保育料の半額についても質問しました。

子育て世帯の負担を軽減する、非常に分かりやすい政策です。

一方で、この政策にはさまざまな目的が考えられます。

少子化対策なのか。

子育て世帯への経済支援なのか。

教育・子育て政策なのか。

女性等の就労促進にもつながる労働政策なのか。

そこで市長に、この政策を何のために実施するのか、その政策目的を質問しました。

市長からは、**「子育て世帯の経済的安心感の向上」と「切れ目のない支援体制の構築」**に資する重要な施策であり、安心して子どもを産み育てられる環境を整えることが前橋市の持続的な発展につながるとの答弁がありました。

出生率への効果は定量的に測ることが難しい

では、保育料を半額にすることで、具体的に何が変わるのでしょうか。

出生率が上がるのか。

若い世代の転入が増えるのか。

就労率が上がるのか。

その効果についても質問しました。

市からは、子育て世帯の可処分所得が増えることで、子どもを持つことへの心理的なハードルを下げる効果が期待されるとの説明がありました。

一方で、出生率については、この施策単独の効果として定量的に測定することは難しいとの答弁でした。

保育料軽減を含む子育て支援を総合的に進めた自治体で、若い子育て世帯の転入が増えた事例なども踏まえ、前橋市でも子育てのしやすさの向上につなげたいとのことです。

なぜ「一律半額」なのか

さらに市長に、なぜ第1子保育料を「一律半額」にする制度設計を選んだのか質問しました。

限られた財源を使う以上、

・負担の大きい世帯に重点的に支援する
・現金給付を行う
・保育や教育の質に投資する

など、ほかの政策手段も考えられます。

市長からは、制度の分かりやすさと、効果を速やかに実感できる実効性を重視したとの答弁がありました。

また、保育料はもともと所得に応じて負担額が変わる仕組みであり、所得への配慮はすでに制度に組み込まれていること、新たに複雑な算定方法を追加することには課題があるとの説明もありました。

大切なのは「やった後」に検証すること

私は、第1子保育料の軽減そのものを否定しているわけではありません。

子育て世帯の負担を軽減することには大きな意味があります。

一方、限られた財源の中では、保育料軽減だけでなく、保育の質、教育への投資、子どもの居場所、困難を抱える家庭への支援など、さまざまな政策の選択肢があります。

だからこそ、

「人気がある政策だから実施する」で終わらせず、本当に目的とした成果につながったのかを検証すること

が重要です。

どの政策に、どれだけの予算を使うのか。

その政策によって、何を実現したいのか。

実際に成果は出たのか。

そして、その結果を次の予算編成にどう反映するのか。

人口減少によって財政的な制約が強まるからこそ、こうした政策評価の仕組みを実効性のあるものにしていく必要があります。

第1子保育料の軽減についても、実施後の効果を客観的に測定・公表し、その結果を次の政策判断につなげることを求めました。

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