前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
6月議会で、前橋市の土地利用制度の見直しと、城南地区をはじめとする郊外地域のこれからについて質問しました。
人口減少や少子高齢化が進む中、前橋市では「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方を基本に、今後の土地利用制度の見直しを進めています。
一方、市街化調整区域に暮らす市民から見れば、開発を抑制することによって地域の人口減少がさらに進んだり、生活に必要な店舗などが立地しにくくなったりすることへの不安もあります。
今回の議会では、土地利用制度の見直しに寄せられた市民の意見、既存集落への対応、スーパーなど生活サービス施設の立地、そして最後に、**「前橋市は郊外地域をこれからどのような地域にしていきたいのか」**を市長に問いました。
土地利用制度の見直しに66件の意見
「前橋市土地利用のあり方に関する検討会議」の最終とりまとめに向け、令和8年4月27日から5月27日までパブリックコメントが実施されました。
66件の意見書が提出され、市内16か所で開催された説明会には233人が参加しています。
市からは、郊外部の市街地の拡大や、地域の拠点を中心とした今後の土地利用について、さまざまな意見が寄せられたとの説明がありました。
制度見直しに理解を示す意見がある一方、
・土地利用制度の見直しが地域に与える影響
・生活利便性をどう確保するのか
などを懸念する意見も寄せられています。
市は、これらの意見を最終とりまとめの記述や今後の施策の検討に反映していくとしています。
「まちのまとまり」から外れる既存集落はどうなるのか
今回の制度見直しでは、市街化調整区域の中でも一定の生活利便性や地域コミュニティを維持するエリアを、**「まちのまとまり」**として設定する方向性が示されています。
一方で、都市計画法第34条第11号区域については縮小する方向が示されており、「まちのまとまり」の外となる既存集落をどう維持していくのかが課題となります。
そこで、こうした地域に対する地区計画の適用について確認しました。
市からは、「まちのまとまり」に該当しない既存集落についても、地域コミュニティや生活環境を維持する必要があるとの答弁がありました。
地域住民の主体的な関わりのもと、既存集落の維持につながる土地利用のルールをつくれるよう、地区計画の対象となり得る地域や制度の枠組みを検討していくとのことです。
地区計画を策定する際には、地域ごとに説明や意見交換を行い、住民の合意形成を図りながら進めていく考えも示されました。
スーパーひとつない城南地区。生活の利便性をどう確保するのか
私が暮らす城南地区は、市街化調整区域の中でも日常生活に必要なサービス施設が少なく、スーパーひとつない地域です。
今回の制度見直しでは、都市計画法第34条第14号基準8-2について、これまでの「10,000平方メートル以下の大規模小売店舗」から、**「3,000平方メートル以下の食料品スーパー」**へ見直す方向性が示されています。
ただし、この制度を利用できるのは指定された路線の沿道です。
現在、城南地区では、国道50号の上武道路との交差点より西側の区間が指定されています。
そこで、指定路線を今後延伸する可能性について確認しました。
市からは、道路交通網の整備状況や周辺の土地利用状況などを踏まえ、指定路線を見直す必要性について検討するとの答弁がありました。
また、地域からスーパーの立地を求める声が多く寄せられていることも踏まえ、食料品スーパーを地域利便施設として立地できるようにすることで、日常的な買い物環境などの確保につなげたいとの考えが示されました。
「この地域だけ置いていかれる」という不安
土地利用制度を持続可能なものにしていく必要性は理解しています。
人口減少の中で市街地が際限なく広がれば、道路や上下水道をはじめとしたインフラの維持など、将来世代への負担も大きくなります。
一方で、制度として合理的であることと、そこに暮らす人が地域の将来に希望を持てることは別の問題だと考えています。
農業の担い手は減り、耕作放棄地は増えています。
さらに土地利用の制限が強まれば、新たな人も地域に入りづらくなる可能性があります。
「コンパクト・プラス・ネットワーク」という都市政策の方向性は理解できても、城南地区をはじめとする市街化調整区域の住民には、
「自分たちの地域だけが置いていかれるのではないか」
という不安があります。
そこで今回、制度の説明ではなく、
「こうした地域を、前橋市として将来どのような地域にしていきたいのか」
市長自身のビジョンを聞きました。
市長「それぞれの地域が特性に合わせて維持・発展していく」
市長からは、前橋市が目指すコンパクトなまちづくりは、まちなかへの一極集中や、都市をたたんでいくものではないとの答弁がありました。
それぞれの地域が、地域の拠点を中心として、その成り立ちや特性に合わせて維持・発展していくことが重要との考えです。
城南地区については、
・農地を含めた豊かな自然環境
・落ち着いた住環境
といった地域の価値を活かしながら、土地利用制度の見直しなどによって日常生活に必要な機能を確保し、地域活動とも連携して暮らしやすさを維持していくとの考えが示されました。
郊外地域にも、将来に希望を持てるビジョンを
市長から地域の価値や暮らしやすさを維持していく考えが示されたことは受け止めています。
しかし、私がさらに求めたいのは、「この地域を将来どうしたいのか」という、より具体的なビジョンです。
土地利用制度をどうするか。
スーパーが建てられるか。
既存集落をどう維持するか。
もちろん、どれも重要です。
しかし、その先にあるのは、10年後、20年後も、この地域に住みたいと思えるのか。この地域で子どもを育てたい、新しく暮らしたいと思えるのかということだと思います。
人口減少を前提として地域を縮小させるだけではなく、それぞれの地域の特徴や資源を活かしながら、暮らし続けられる地域をどうつくっていくのか。
城南地区をはじめとする郊外地域に暮らす市民が、将来に希望を持てる具体的な地域のビジョンを示していただくことを、引き続き求めていきます。




