前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年9月議会で、前橋市の市街化調整区域における建築規制と、今後の郊外地域の土地利用について質問しました。
市街化調整区域では、原則として自由に住宅や店舗などを建てることができません。
無秩序な市街地の拡大を防ぎ、効率的な都市経営を行っていくためには、一定の土地利用規制が必要です。
一方で、実際にその地域で暮らしている人にとっては、**「地域で暮らし続けるために必要な施設までつくれない」**という問題もあります。
人口減少が進む中、郊外地域をただ抑制するのではなく、生活利便性や地域の持続可能性をどう確保するのか。
市街化調整区域の基本的な考え方と、建物の建て替えや店舗の建築について確認しました。
なぜ市街化調整区域では建築が制限されるのか
前橋市では昭和46年3月31日に、都市計画法に基づく「線引き」を行いました。
都市を大きく、
市街化区域
すでに市街地となっている区域や、おおむね10年以内に計画的に市街化を進める区域
市街化調整区域
当面、市街化を抑制する区域
に分けています。
市からは、市街化調整区域に建築規制を設けている理由について、無秩序に開発が広がる**「スプロール化」**を防ぐためとの説明がありました。
そのため、市街化調整区域では原則として市街化を抑制しながら、分家住宅など一定の要件を満たすものについて例外的に建築を認めています。
昔からある建物は建て替えできるのか
市街化調整区域で昔から事業を営んでいる方から、
「建物を建て替えることが難しい」
という声を聞くことがあります。
事業所を建て替え、事業を拡大できれば、新たな雇用につながる可能性もあります。
そこで、既存建物の建て替えについて確認しました。
市からは、市街化調整区域に指定される前から存在する建物について、同じ敷地内で、同規模・同用途であれば建て替えが可能との答弁がありました。
市街化調整区域だから、既存の建物も一切建て替えられないということではありません。
一方で、規模を拡大したり、用途を変更したりする場合には制限があります。
地域に必要な店舗は建てられる
もう一つ確認したのが、スーパーマーケットなど地域の生活に必要な店舗についてです。
市街化調整区域であっても、周辺住民の日常生活のために必要な店舗については、都市計画法上、一定の条件のもとで建築が認められています。
市からも、小規模な地域店舗であれば建築可能との答弁がありました。
しかし、人口減少や高齢化が進む郊外地域では、買い物環境をはじめとした生活サービスをどう維持するかが、今後さらに大きな課題になります。
制度上「建てられるものがある」というだけでなく、実際に地域の生活を維持できる土地利用になっているのかを考える必要があります。
「開発を抑える」だけでは地域は持続しない
市街化調整区域の規制そのものには、無秩序な開発を防ぐという重要な役割があります。
一方で、人口減少時代においては、「開発を抑制する」という視点だけでは、地域の持続可能性を確保することは難しいと考えています。
人が減る。
店舗がなくなる。
地域で事業を続けることが難しくなる。
さらに生活が不便になり、地域から人が減っていく。
こうした循環を防ぐ視点も、これからの土地利用政策には必要です。
郊外にも必要な機能を計画的に
前橋市では現在、**「前橋市土地利用のあり方に関する検討会議」**において、今後の郊外地域の土地利用について議論を進めています。
私は、郊外を無秩序に開発すればよいとは考えていません。
交通、環境、景観、防災への配慮は当然必要です。
中心市街地との役割分担や補完関係についても考えなければなりません。
そのうえで、地域で暮らし続けるために必要な店舗や施設、地域経済や雇用を支える一定の施設については、計画的に立地を認めていく視点が必要ではないでしょうか。
市街化調整区域を「開発を抑える地域」としてだけ捉えるのではなく、そこに暮らしている人の生活をどう守り、地域をどう持続させるのか。
今後の土地利用制度の見直しに、こうした視点を反映するよう要望しました。



