前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年12月議会で、前橋市における部活動の地域展開について質問しました。
学校部活動を地域へ展開していく動きが進む中、前橋市でも地域クラブの育成や活動環境の整備が進められています。
しかし、単純に活動の場所を「学校から地域へ移す」だけでは、持続可能な仕組みにはなりません。
学校と地域クラブがどのように連携するのか。
実際に活動を担う地域側をどう支えるのか。
地域クラブで活動する子どもたちへの支援をどうするのか。
そして、スポーツだけではなく文化活動にも選択肢を広げられるのか。
こうした観点から、今後の部活動地域展開について確認しました。
学校と地域クラブの連携をどう進めるのか
部活動の地域展開を進めるうえで、学校と地域クラブとの連携は欠かせません。
現在、学校では活動場所の提供に加え、地域クラブの紹介や表彰などを通じて、生徒の活動を共有しています。
今後はさらに、
・地域クラブの活動状況
・休日の活動時間の遵守
・熱中症対策
などについて、学校と地域クラブが情報を共有する必要があるとのことです。
市からは、教育委員会がリーダーシップを取り、学校と地域クラブとの情報共有を進めていくとの考えが示されました。
「学校外の民間クラブ化」にしてはいけない
私は、地域展開を単に「部活動顧問が学校から離れ、活動場所が地域に移ること」にしてはいけないと考えています。
それだけでは、学校部活動を**「学校外の民間クラブ」に置き換えただけ**になってしまう可能性があります。
また、教員の多忙化を解消するという学校側の事情だけが先行し、実際に活動を引き受ける地域クラブや民間団体が、大きな負担や不安を抱えたまま運営することになれば、長く続く仕組みにはなりません。
地域展開だからこそ、行政には、実際に活動を担う地域側の声や課題を丁寧に把握し、支える役割が必要です。
地域クラブから全国大会へ。補助金はどうなる?
今後、地域展開が進めば、地域クラブに所属する中学生が関東大会や全国大会などの上位大会へ出場するケースも増えていくことが考えられます。
学校部活動から地域クラブへ活動の形が変わったことで、子どもが受けられる支援に差が生まれることは避ける必要があります。
そこで、地域クラブに所属する生徒が県外で開催される上位大会に出場する際の補助について質問しました。
市からは、地域展開を進めるうえで考えていかなければならない課題の一つとの認識が示されました。
今後、国のガイドラインを踏まえながら、公的支援の体制について検討していくとのことです。
郷土芸能や伝統文化も「地域クラブ」になれる
部活動地域展開では、活動の受け皿をどれだけ幅広くつくれるかも重要です。
これまで運動系の地域クラブが注目されることが多くありましたが、前橋にはスポーツ以外にも、郷土芸能や伝統文化をはじめとしたさまざまな地域資源があります。
そこで、こうした文化活動も、中学生の活動の受け皿となる地域クラブになれるのか確認しました。
市からは、郷土芸能などの文化活動も、中学生を受け入れる地域クラブとして活動することが可能との答弁がありました。
現在学校にある吹奏楽、美術、科学、ボランティアなどの活動に限らず、地域にある文化活動も選択肢になります。
教育委員会では、文化系地域クラブが学校施設を利用できるよう環境整備を進めています。
また、「まえばしスポーツ・文化クラブ」では、文化系地域クラブの指導者登録や団体登録も進められています。
地域展開を、子どもの選択肢を広げる機会に
部活動の地域展開は、教員の働き方改革だけを目的としたものではないはずです。
地域に移すこと自体を目的にするのでもありません。
重要なのは、子どもたちにとって、これまで以上に多様な活動を選べる環境をつくれるかだと考えています。
スポーツに取り組みたい子。
音楽や美術に取り組みたい子。
地域の伝統文化や郷土芸能に関わってみたい子。
学校という枠を越えることで、むしろこれまで学校では用意できなかった活動にも参加できる可能性があります。
そのためには、地域クラブに負担を押し付けるのではなく、学校・地域・行政が役割を分担し、活動を支える仕組みをつくる必要があります。
そして、学校部活動か地域クラブかによって、子どもが受けられる支援に不合理な差が生まれないことも重要です。
部活動の地域展開を、単なる「移行」ではなく、子どもたちの活動の選択肢を広げる機会にする。
そうした視点を持って、今後の制度設計と地域クラブへの支援を進めていただくことを求めました。



