前橋市議会議員、市村均光(ただみつ)です。
2025年9月議会で、**前橋市が新たに実施する給付型の「入学支援金」**について質問しました。
前橋市では、これまで実施してきた貸与型奨学金制度を見直し、高校等への入学前に20万円を給付する入学支援金制度を新たに実施します。
返済が必要な「貸与」から、返済する必要のない「給付」へ。
さらに、支援する時期についても、高校在学中ではなく、制服やパソコンなどの購入でまとまった費用が必要になる「入学前」に重点を置いた制度となります。
制度変更の理由や対象者、申請方法を確認するとともに、支給条件となっている**「中学校3年間の評定平均3.5以上」**について問題提起しました。
貸与型奨学金から「給付型」へ
前橋市ではこれまで貸与型の奨学金制度を設けていましたが、平成26年度以降、ほとんど利用されていない状況が続いていました。
一方、高校等に在学してからは、授業料の無償化をはじめ、さまざまな経済的支援があります。
市が今回着目したのが、高校へ入学する前の経済的負担です。
高校進学時には、
・制服
・パソコンなどの端末
・教材や学用品
など、短期間にまとまった費用が必要になります。
こうした入学前の負担への支援は十分とは言えないことから、従来の貸与型奨学金を廃止し、新たな給付型制度へ変更することになりました。
目的は、入学にかかる経済的負担を軽減し、教育の機会均等を図ることです。
高校等への進学予定者に20万円
新しい入学支援金では、高校等への進学予定者に20万円を給付します。
主な申請条件として、
・前橋市に住民登録があること
・経済的に困窮していること
・学業及び人物に優れていること
・中学校3年間の評定平均が3.5以上であること
などが設定されています。
申請者は申請書と必要書類を学校へ提出し、学校から教育委員会へ提出します。
審査では、最も重視する家計の状況に加え、学業などの項目を総合的に判断するとのことです。
「評定平均3.5以上」は必要なのか
私は、貸与型から給付型へ変更し、特に経済的負担が大きくなる高校入学前を支援するという制度の方向性については、意義のあるものだと評価しています。
一方で、課題だと考えているのが、**「中学校3年間の評定平均3.5以上」**という学業要件です。
例えば、不登校などさまざまな事情によって、学校で十分に評価を受けることが難しかった生徒がいます。
家庭に経済的な困難があり、さらに学校生活にも困難を抱えている子どもほど、評定という基準によって支援から外れてしまう可能性があります。
経済的に困難な家庭の高校進学を支えることが制度の目的であるならば、「成績が一定以上の子どもを支援する制度」になってしまってよいのかは考える必要があります。
必要な子どもに届く制度に
高校進学は、子どもにとって大きな節目です。
家庭の経済状況によって、制服やパソコンなど入学に必要なものを準備できない。
そうした状況を防ぐために20万円を給付する今回の制度には、大きな意味があります。
だからこそ、制度をつくるだけではなく、本当に支援を必要としている子どもが対象になっているのかという視点が重要です。
特に、不登校をはじめ、さまざまな事情を抱えてきた子どもが、評定という一つの基準によって支援から外れてしまうことには懸念があります。
経済的困難を抱える家庭への支援という制度本来の目的を踏まえ、個々の事情に応じた柔軟な運用や、学業要件そのものの見直しを検討するよう要望しました。



