活動報告

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【 神戸市視察報告 〜市立学校における「学年(チーム担任制)」モデル〜 】

市村ただみつです。
今年度新型コロナウイルスが5類移行されたことに伴い、行政視察が本格的に開始されています。今回は神戸市の『市立学校における「学年(チーム担任制)」モデル』について書かせていただきます。

神戸市では令和5年4月より「学年(チーム担任制)」を市立小学校2校、中学校2校、計4校をモデル実施校として試験的に導入をスタートしました。政令市においては、教育委員会が主導的に方針を示し取り組むことになったのは神戸市が初めてとのことでした。

「学年(チーム)担任制」とは、学級担任を固定せず、学級における児童生徒の指導等の業務を複数の教員がローテーションで担当する学級運営方法です。

具体例として、
① 中学校1年生2学級に3人の教員を配置し、週ごとに入れ替わりながら学級業務を行う。
② 小学校5・6年生4学級に5人の教員が週ごとや月ごとに入れ替わりながら学級業務を行う。

あくまで学級担任業務をチームで行うイメージです。小学校では担任の先生がほとんどの授業を担当することが少なくありませんが、授業については中学校のような教科担任制となっているようです。ちなみに学級担任業務は細かい仕事が多数あるようですが、ざっくり言うと生徒対応と保護者対応の2本柱であるようです。

導入目的は3つあるようで、
① 教職員が多面的な視点で児童生徒と関わり、児童生徒の変化に気づく機会を増やすこと
② 多くの教職員との活動や対話を通じて、児童生徒の多様な能力の伸長を図り、健やかな成長に繋げること
③ 教職員が連携・補完することによって、指導力の向上および組織力の強化を図ること

学校現場では担任の裁量はとても大きく、そこにはいい面も悪い面もあるような気がしています。本当に相性の良い人が担任になれば、児童生徒も教員もハッピーだと思いますが、残念ながらすべてがそうなることはありえない..と思います。担任の先生と相性が悪い..そんな悩みを保護者の方から聞くことも少なくないからです。その観点から考えれば、1人の児童生徒に多くの教員が関わる仕組みは子どもや保護者にとってもメリットがあると考えられます。また教員にとっても、悩みを自分だけで抱えなくていい状態に繋がることは精神的な負担が軽減されると考えられ、メリットがあると考えられます。
ちなみに神戸市では想定される利点と課題をまとめています。

(想定される利点)
① 児童生徒の変化に気づく機会が増え、早期かつ丁寧な対応が期待できる。
② 児童生徒・保護者にとって、相談できる教職員が増え、安心感が高まる。
③ 教育活動や指導の透明性を高め、開かれた学校づくりにつながる。
④ 指導技術の継承と、業務の平準化・標準化が図られることにより、働き方改革につながる。

(想定される課題)
① 児童生徒・保護者がどの教職員に相談したら良いかわかりづらい。
② 児童生徒・保護者からの依頼や相談が特定の教員に偏ることがある。
③ 教員間での児童生徒の状況の共有や事務引き継ぎ等をこまめに行う必要がある。

神戸市では、想定される利点や課題も踏まえながら、効果検証・評価を行い、将来的には全市への展開を検討しているようです。

(まとめ)
チーム担任制は、複数の教員が子どもに関わることから、業務の平準化や情報共有が必要不可欠になり、学校の業務改革にも繋がる可能性があります。また教員の方々は自分のクラスの子どもに対して「私がこの子をしっかり育てなきゃ!」と使命感を持って仕事に取り組んでいる方が少なくないと私は感じているため、学校現場で何か問題が起こったときの先生の負担は軽減される仕組みに繋がる!と考える一方で、自分色の学級運営に取り組みたいと考えている先生にとっては、やりがいが小さくなってしまうかもしれない..と思います。

ただ現在の子どもの状況を考えれば、学校は変わっていかなければなりません。
学校が新しい取り組みにどんどんチャレンジしていくことは今後重要になってきます。

神戸市で学んだことを前橋市の教育行政に活かせるよう、引き続き活動してまいります。

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